お知らせ

2022-01-06 10:52:00

新年のご挨拶

 新年のご挨拶(代表理事 柳下正治)

 

新年あけましておめでとうございます。

昨年中は大変にお世話になりました。心より感謝申し上げます。

出口の見えない新型コロナ感染症問題を通じ、人類はいかに脆弱な生存基盤の上で、日々の利益を追い求め、快楽を貪っているかという事実を思い知らされる今日この頃です。いかがお過ごしでしょうか?

 

環境政策対話研究所発足7

さて、当研究所は、2015年発足、間もなく7年になります。

会員の皆さまをはじめ、多くの皆さまの叡智や情熱を結集して、今日までエネルギー・気候変動の分野の「政策形成・推進における参加・熟議」の我が国への定着を目指し、様々な実践的な研究活動に挑戦して参りました。まだまだ不十分ではありますが、一定の成果を上げてきたものと考えます。

 

研究所事務局の移転

  既にお知らせ申し上げましたが、1214日に、千駄ヶ谷から小田急線新百合ヶ丘駅近くの地に、事務所を移転しました。

    2150021川崎市麻生区上麻生31211エスケーハイツ103

    0443870116

  コロナ禍を通じて、業務形態がすっかり変わり、東京の真ん中に事務所がある必要性がなくなったこと、スタッフ達が、人ごみの多いところを日常的に経由するリスクを回避したいこと、スタッフの多くの住まいが小田急線沿線に位置していること等々を勘案して、思い切り決断をした次第です。

  田舎に! とお思いでしょうが、業務上は大変に便利なところです。

 

脱炭素かわさき市民会議の開催

昨年は、欧州で生まれた「気候市民会議」の本邦初の本格規模での実施でもある「脱炭素かわさき市民会議」の開催に、川崎市地球温暖化防止活動推進センターと連携して、全力を傾注しました。無作為抽出を基礎に選ばれた一般の川崎市民(75名)に参加いただき、月1回、土曜日の午後4時間の会議を6回開催し、議論を闘わし、市民が辿り着いた脱炭素かわさきへの取組みを提言としてとりまとめました。

この市民による政策提言は、1111日に、福田川崎市長に直接に説明し、また、社会発信を行った次第です。

1.   脱炭素かわさき市民会議_市民提案(202111).pdf (1.86MB)

この結果については他の自治体等からかなりの関心を呼び、問合せが少なからず来ています。来年度以降、いくつかの自治体は、それぞれの事情に応じて市民会議の開催に踏み切りそうです。何件か、支援して欲しいとの相談も受けております。

そのためにも、直ちに、川崎での実践経験について、十分にフォローアップ・評価を行い、川崎モデルとして各処に紹介できるようにとりまとめておきたいと考え、1222日に「フォローアップ・評価委員会」を発足させました。

いっそのこと、出版も考えようではないかとの提案もあります。

なお、本事業には、地球環境基金の活動助成、新技術振興渡辺記念会の調査研究助成、(公財)地球環境戦略研究機関の研究委託、国立環境研究所の研究委託といったように、多くの財源・プロジェクトの結集によって初めて成立した大プロジェクトです。

 

エネルギー・脱炭素社会づくりにむけた若者の人材育成

発足以来、当研究所は、次世代(若者)に、長期の視点に立ったエネルギー選択・脱炭素社会づくりに関心を持ってもらい、次の3つの能力を身につけてもらうべく、ワークショップの開催、教育現場でのアクティブラーニングの実践等を進めてきました。

1.      複雑なエネルギー・気候変動問題を系統だって理解する能力

2.      多様な価値観・異なる意見を有した他者と意見を闘わせ噛み合った議論を行うコミュニケーション能力

3.      納得のできる自分なりの考えを導き出すための熟慮能力

具体的には3つのプロジェクトを走らせています。

1.       次世代エネルギーワークショップ(若手社会人編)

これまで毎年14050名の参加の下で実施。本年は、間もなく開催です。111日、25日、215日に開催になります。エネルギー供給事業に従事する若者から、環境NPOに所属する若者までの間で、白熱した議論が展開されます。 

2.       大学の授業でのワークショップの取入れ

試行錯誤を繰り返して参りましたが、次の3大学を拠点として、外部学生の参加も開かれた形での大学でのワークショップ開催ができることと致します。

・名古屋市立大学(鵜飼宏成教授)・・・東海地方の拠点、名古屋大学、滋賀県立大学等の協力

・芝浦工業大学大宮校舎(磐田朋子准教授)・・・2022年度に開講に向け準備・・・関東地方の拠点となることを目指し

・関西においても、拠点校ができるよう、働きかけを行っているところです。動き次第ご報告いたします。

3.       高校生・高専生を対象としたワークショップの実施

2022年度は、これまでの筑波大学附属坂戸高校、立命館慶祥高校、高等専門学校での取組に加えて、新たに神奈川県立高校の教育現場(「探求の時間」の活用)でのプログラムの実施に向けた取組に挑戦して参ります。神奈川県環境部、神奈川県教育委員会、(公財)地球環境戦略研究機関との連携で進めて参ります。

この高校・高専プロジェクトは東京都市大学教授の佐藤正久教授の指導の下に進めています。

 

気候市民会議の発祥の地の欧州における更なる展開の動向調査の推進

2018年度より、脱炭素社会形成に向けて一歩も二歩も先を行く欧州の動向調査を行って参りました。

特に2019年度より、フランス及び英国において、無作為抽出の市民で構成される「気候市民会議」が誕生し、市民による政策提言が発せられるようになったことは、ご存じの通りです。

欧州の先進的な動きを学び吸収することは、我が国の脱炭素社会形成を促進していく上で大変に重要です。このため、この調査は引続き、地球環境戦略研究機関との連携の下、引続き進めています。現在、森理事を中心に外部の研究者等にもご参画いただきプロジェクトチームを形成して進行中ですが、タイミング良く、皆さまにも情報共有していただくための機会を設けたいと思います。

 

Onlineセミナーの開催等

現在個別プロジェクトを次々と進めていく多忙さの中、Onlineセミナーの開催を怠っておりますことをお詫びします。間もなく再開致しますので、皆さま是非気楽にご参画下さい。

Onlineセミナーは当研究所会員をはじめ皆様の要望等もお聞きして、適時、テーマを選び、また会員の中から講師を選んで、開催してみたいと思っています。

また一方、皆様のご意見・ご希望を踏まえた企画(現地視察、Online懇親会、合宿等)も考えたいと思っています。

 

最後に

  当研究所の活動について皆さまにおかれましては、色々とお気付きの点があろうかと存じます。

  是非、ご遠慮なく、ご意見をお寄せ頂ければと存じます。

 

  2022年.地球社会において環境問題を国連が真正面から扱った「国連人間環境会議(ストックホルム)」から丁度50年の記念すべき年になります。ということは国際社会が地球環境問題を真正面から取上げた地球サミットの開催(1992年、リオデジャネイロ)から30年の年です。

  今こそ、長期を見通して、これまで歩んできた道を抜本的に見直して、軌道修正を本格化していかなければならない記念すべき年にしたいところです。

 

  本年も宜しくお願い致します。