ご挨拶

 2011年3月の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故を契機に、日本では環境・エネルギー政策の根本的な見直しがなされました。そして、エネルギー選択のような大きな社会的問題には国民・市民による議論が重要であることが浮き彫りとなりました。 

  温室効果ガスの長期的大幅削減に向けて、私たちはどんな未来社会を目指すべきなのでしょう。また、発電時にCO₂を出さないという利点がある一方で、安全性や使用済み核燃料の貯蔵・処分問題がある原子力とは、どう付き合えばよいのでしょう。こうした課題に、私たちは科学的な知見を基礎に意見を闘わせ、様々な意見や価値観の中で熟慮し、未来のために解決の道を選択していくという重い責任があります。

  一般社団法人 環境政策対話研究所は、環境・エネルギーや科学技術の分野で、主に政策形成や社会と科学の応答、国民・市民の参加・熟議などについて研究開発を行ってきた者たちが集まり、持続可能な社会の実現に寄与することを目的として設立した団体です。 

 今後、関連研究機関や各種団体・組織、NPO、公的機関等と連携しながら社会が直面している課題の議論・対話を活性化させるための場の創出・設営等を推進し、人材の育成等を行って参ります。

 

柳下正治(一般社団法人 環境政策対話研究所 代表理事)